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ブラジル人児童の帰国後の教育問題−日本語忘れる子供も−基金が実態究明中間報告−支援の在り方探る
国際交流基金サンパウロ日本語センターは昨年10月から、「ブラジル在日経験帰国児童生徒の日本語実態調査」(仮称)を実施している。日本語の学習環境や動向を明らかにすることで、帰国後の日本滞在経験子女への支援の在り方を探ろうというのが調査の目的だ。同センターは17日、中間報告を発表した。これまで、学習を継続、中止、放棄するなど様々な事例が報告された。基金は今後、継続して調査を進めるとともに、得られたデータをタイプ別に整理、分析する方針だ。
日本で暮らしたブラジル人の子たちが帰国後、ブラジルの学校になじめず、日本語学校に通う。逆に、ポルトガル語教育に適応しようと日本語学習を中止、放棄する。帰国後の教育が現在、社会問題化し始めてきた。
調査は9歳から14歳までの在日経験子女、父兄、日本語学校教師、日本語教育関連機関などを対象に、観察と面接方式で実施されている。地域はサンパウロ市、同市近郊、サンパウロ州内諸都市、パラナ州内諸都市。中島透同基金日本語センター主任講師、根川幸男同センター委託調査員、リリー・カツコ・カワムラ・カンピナス大学教育学部教授の3人が当たっている。
現在、調査が進められているのは、ビリチバ・ミリン市。ここは日系社会が残っており、日本滞在経験者も多い。さらに、今まで研究者の手が入っていないことから、新鮮なデータを得ることができると期待されている。
同市日本人会の日本語学校に在籍中の10人に絞り、聞き取り調査、各種イベントでの子供の反応を観察する。日本語コミュニケーション能力の変化を見たい考えだ。中島主任講師と根川調査員がこれまで数回、足を運んだ。
これまで報告されているのは、「日本行きは金銭目的だけ。日本人男性、日本文化にも興味はない」、「帰国後日系社会との接触がなく数年で日本語を忘れた」、「14歳で日本語能力試験一級に合格した。日本語学校は必要ない。ブラジル学校に適応するのに精一杯」など。
4ヶ月で日本の生活に順応した。帰国後、日本語を忘れたくないと日本語学校に通う生徒もいる。また、日本語学習を中止しても、アニメ、ゲームなどに関心を持っている層もある。地域社会の日本語教育への意識が高く、日本語学校など学習環境が整っている場合には、日本語能力を維持しながらポルトガル語教育も適応できるようだ。
これら多様な調査結果を基金はタイプ別に整理し、日本語への意識、学習を継続、中止、放棄する理由や背景を分析する。教材作成の糸口をつかみ、日本語学習を再開、継続させていきたい考えだ。中島主任講師は、「子供達の帰国後を焦点に当てた調査はほとんどない。その実態を明らかにすることで、在日就労経験者への支援を検討したい」と述べ、最終段階が今後、クローズアップされてくるとの見方を示した。
今回の実態調査は「世界の日本語教育」(国際交流基金日本語国際センター発行)の投稿論文として発表される。2001年1月ごろ審査がある。掲載されるのは同年6月。
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