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相談がない「教育問題」‐日系人協会相談センター

 先に来伯した鳥井雅晴日系人相談センター所長(在日本、海外日系人協会直属の部署)が、去る30日の帰国前、センターの相談の現状について感想をのべた。相談にくるのはダントツで多いのがブラジル人。件数の多いのは「保険」と「病気」、最も深刻であるはずの子女の「教育問題」については、意外にない。また、現実には定住化がすすんでいるにもかかわらず、日系出稼ぎ者の日本定住意識は低いという。
 鳥井所長が語った要旨−日本への出稼ぎを考えるとき、言葉(日本語)が第一の問題になるが、ボリビアとパラグアイは、奥地集団移住型だったので、混血がほとんどなく、日本語レベルが平均的に高いため、日本での問題が比較的少ない。
 1999年4月から2000年3月までの1年間に相談センターが受け付けた相談数は2617件。内訳は、ブラジル2216件、ボリビア23件、アルゼンチン16件、パラグアイ2件、ペルー125件、コロンビア8件であった。
 相談の一番多いのは保険と病気。保険に加入していないため、病院での治療費を支払わないで転居する。追跡調査ができないし、あっせん業者も関わりを避ける。人間である以上病気もするが、病気になっても仕事を休めない、という悪循環が繰り返される。このことが、日系出稼ぎ者は治療費を払わない、という一方的な誤解を生み、真面目な出稼ぎ者が迷惑している。
 子供の教育問題は最も深刻であるはずだが、意外にも、教育のことでセンターに相談はない。日系出稼ぎ者の意識は低い。それがまた子供の教育を中途半端にしている。子女で日本の高校に進学している者は非常に少ない。子女たちはブラジル(外国)人なので、日本での教育にブラジル政府の本格的対応を期待しているが、そこまで手がまわらないのであろう。最近、日本にできているブラジル語の小中学校では、校長夫妻はブラジル人、教員は日本にいる2世、3世を採用して対応している。センターは、所長のほかにスペイン語とポルトガル語が堪能で、南米事情はもとより、日本の法律などにもくわしいスタッフがいるので、「遠慮なく相談に来てほしい」と鳥井所長は言う。また、訪日する前に3カ月間でも日本語を勉強しておくと、問題に直面する可能性が大きく減少するので配慮するように、と助言している。センターの電話は、東京03−3797・9296。東京都渋谷区広尾四丁目2番24号、国際協力事業団広尾訓練センター内。
 鳥井所長は、去る9月17日、サンパウロで行われたコチア青年移住45周年記念式典に出席したのを皮切りに、ブラジル、ボリビア、パラグアイの日系移住地を視察して現場の声を聞き、30日にブエノスで開催されたアルゼンチン日本人公式移住百周年記念式典に参加して帰国した。
 所長はまた、55年、17歳のときに両親とボリビアのサンファン移住地に移住した人。3年後にJlCAの前身日本海外移住振興会社に現地採用され、職員になった。パラグアイ、コロンビアに勤務、95年J1CA退職、ボリビアのサンタクルス県庁に技術顧問として3年間勤務、そのあと現職。

(ニッケイ新聞)


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