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日系社会
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日系社会特集

● 4世にも「就労査証」を
 日本で声高まる
  少子化、高齢化社会に対処

< 現在、日系三世まで認められている「日本人の配偶者等」在留資格。これを四世まで枠を広げ発給しようという動きが、日本国内にある。歯止めのかからない小子化と急速に進む高齢化により、国内での労働人口が減少。日本は外国人の労働者を受け入れざるを得ない現状だ。早急な対応が求められているだけに、今後の動きが注目されるところだ。

尾崎教授が現況説明
 出稼ぎ斡旋業界のルート調査のため七月下旬から、ブラジルを訪れている三重短期大学の尾崎正利教授によると、在留資格の四世までの拡大は日系人の就労者を雇用している中小企業側から上がった声だという。「将来確かな労働力確保のためにも、『日系四世も出稼ぎができるように』との意見があり、法務省の方でも検討段階に入っているようです」と現状を語る。
 現在、日系二世、三世に発給されている「特定査証」は、日本国外に移住した同本人の血縁に対し〃日本人配偶者等、定住者〃という観点から、在留資格が与えられている。実際には四世でも、扶養家族として訪日した人はそのまま滞在でき、扶養から脱した後も、特例により帰国させられることはない。
 しかし、ビザ取得の段階からこの制限を撤廃し、四世にも広げようというのが今回の動きだ。世界でもっとも多くの特定査証を扱うサンパウロ日本国総領事館(小島高明総領事)でも「これまで二世、三世に与えられているだけに当然、四世からも求める声がある」としている。「しかし、そうした『在留資格四世拡大論』ともなると、法務省だけの問題に止まらない。彼らの生活環境や教育環境の問題など関係省庁に及ぼす影響も大きい。今後、検討が重ねられるだろう」と、日本側の四世拡大論に対する慎重な姿勢を伺わせる。
 同様に、尾崎教授も「日系人が引き起こす問題や周辺の労働状況から見てもすんなりとは許可されないのでは」と指摘している。
 そうした環境問題だけでなく求める企業側の別な声があることも確か。それは最近の人件費の高騰化だ。「出稼ぎ者はよく働きます。残業を入れて月に三十、四十万はざら。五十万円近い人さえいます。年々賃金が高くなり、日系ブラジル人を雇うのが困難な状況も生まれつつあります」と今後の労働状況を解説する。
 そこで注目されているのが東南アジアからの安い労働力だ。日系人ではないため在留資格は与えられないが、「研修ビザ」と呼ばれる査証ルートを利用し就労に当たる。
 この「研修ビザ」は、技術を身につけるために実習生(トレーナー)として入国、仕事に当たる。八カ月ほどして技術試験を受け合格すればあと一年分のビザの延長が可能。うまく行けば合計二年間は日本に滞在でき、〃研修〃名目で労働することができるという。
 「日系人の賃金は高くなり過ぎています。そのためより安い労働力が市場から強く求められています。『実習(トレーナー)なのか労働(ワーカー)なのか』といった問題も指摘されていますが、既にこの手段でアジアから入っている労働力は二十万人を数えます」と尾崎教授は出稼ぎ環境の新しい変化を明かす。
 年々、企業の雇用契約期間は短くなり、今では三カ月程度。必要な時に、必要な人材を確保したい雇用主たち。日系人より雇いやすく、また短い労働期間で雇うことができる点でも、研修ビザで出稼ぎに当たる東南アジアからの労働力は、出稼ぎ日系人の今後のライバルになる可能性は大いに有り得る。

(ニッケイ新聞)


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