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日系社会特集
● 日系ブラジル人求人数急増
自動車業界に追い風ー100人単位であつせん依頼
今、日本企業からの求人数が急激に増えている。この一カ月間は特に完全な売り手市場だという。継続的に好調な電子部品産業のほかに、最近は自動車業界の景気が上向きのようだ。どの斡旋業者の事務所にも次々と五十あるいは百人単位の求人が舞い込んでいる。しかし、三カ月前までの求人の低迷ぶりはひどかった。それがちょっと日本の景気が上向けば、この繁盛。「景気と雇用はすぐに反応し合う。出稼ぎと位置付けられた日系人ブラジル人の雇用は相変わらず『景気の調整弁』。その傾向はさらに強まっている」と人材派遣業を経営して八年の男性は語る。
景気に敏感に反応
ブラジルから日本へ働きに出る人が見られるようになつて今年で十五年。今でも日本の景気に翻弄され、ただ『弁』としての役割を果たすに過ぎないようだ。
「いっぺんに来て、いっぺんに止まる。二〇〇〇年は求人の増減が激しくて困るよ」。前出の男性はこぼす。今年は求人数上向きの状態でスタートしたが、四月に入るとがくっと急落。労働者を送っても日本の企業側から約束の報酬がもらえないという事態が相次いだ。頭を抱えて三ヵ月。いきなり、枯れ切った市場が一気に潤ったのでこの男性はあっけにとられた。
景気が少しよくなった途端、労働者を求める。傾けば、すぐに解雇。そうした傾向が日本の企業側では次第に強まってきている。「労働者の流れを見ている都市景気と株の動きがよく分かる。反応が以前よりも早くなった。日系労働者は景気の完全な調整弁であり、またバロメーター」とこの業者は指摘する。
今の流れを見ると携帯電話やコンピューター関係の部品を作る業界が最も景気がいいようだ。この一カ月は自動車工場の多い中部地方からの求人が急激に増えてきた。求人単位も大きく、「どの派遣会社も今はそんなに人材のストック(在庫)がないからこたえられないくらいだ。また、賃金が比較的低い関東地方の工場よりも、残業が多く、高待遇に恵まれる可能性の高い中部地方にある工場を選ぶ傾向があるから、現況は願ってもない限りだという。しかし、かつてのように継続的な繁栄が見込めない日本で、この売り手市場がいつまで続くかはもちろん、疑問だ。
現実に日本からの送金額は確実に減少している。一九九五年に二十四億ドルを誇ったブラジルヘの送金総額はその後の三年間で十九億ドルまで減った。在日ブラジル人の絶対数には大きな変化が見られないのに、だ。五億ドルのマイナスが物語るものは何か。一時的な失業者の増加、残業の減少、賃金の低下など、日本経済の使い捨てゴマとなりかねない日系ブラジル人労働者を取巻く環境は年々厳しくなっいる。
(ニッケイ新聞)
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