121(2002年02月25日)
サンパウロ総領事館の人間味に欠けた態度に日本人女性激怒
今月初旬にサンパウロ市内で強盗に襲われ、身分証明書(ドクメント)ともども被害を受けた日本国籍者の女性Aさん(48、サンパウロ市在住)が、身分証明書の再発行に必要な日本の旅券の期限が切れていたことを知り、サンパウロ総領事館に出向いたところ旅券班の窓口で人間味に欠けた態度で接せられたとして激怒している。総領事館側では、「普通の対応をした」と話しているが、日本の外務省の不祥事などによる在外公館の領事窓口の業務改革が叫ばれているだけに、移住社会に対する今後の態度が問われそうだ。
Aさんは今月4日、サンパウロ市内で強盗に遭い乗用車をはじめ現金約2600レアル(約13万円)、運転免許証のほか、身分証明書などいっさいを持っていかれた。身分証明書だけはあとで出てくるだろう思っていたが一週間たっても全く連絡がないため、連邦警察で再発行を申請したところ、「日本人ならばパスポートが必要」と言われた。
普段はブラジル国内でパスポートをほとんど使用することのないAさんは、その期限が切れていることに気付き、日本の旅券を再発行してもらおうとサンパウロ総領事館の旅券窓口で「身分証明書が早く再発行できなければ、身動きが取れないので何とか早く発行してほしい」と陳情した。
ところが、受け付けた女性職員は「必要書類を揃えなければできません」の一点張り。そのあと、強盗にあったことで精神的にも金銭的にも不安定になっていたAさんとのやりとりで職員は「お金を持っていないなら日本の兄弟に送ってもらったらいいでしょ」と突き放した。
Aさんは「同じ日本人として困っているから総領事館に出向いて求めたのに、冷たい態度で接せられ、開いた口がふさがらなかった」と悔しさを噛みしめながら話している。
一方の総領事館では、「普段と変わりない対応をした。別に声を荒げて争ったわけでもない」と述べ、「もう少し心情的な対応はできなかったのか」との記者の問いに、担当領事は「やってますよ」と官僚的な口ぶり。
Aさんは、昨年までサンパウロ市内の病院に勤務していたが、現在は働いておらず夫とも別居し、兄や息子は日本にいるが、一人暮らしを続けており、災難が続いた上での総領事館の冷たい対応に大きな怒りを覚えている。
総領事館では、「その方が本当に金銭的に困っているなら、総領事館としてもある程度の金額をお貸しすることはできます。しかし、その後総領事館にも来ないで文句を言われてもこちらとしてもどうにもできません」と説明する。
Aさんは「あれだけ言われては総領事館には行く気がしません。日本の兄が送金してくれることが実現したとしても身分証明書を呈示しなければお金をおろす事はできません。そういうこちらの心情も分からずに事務的な手続きだけをすることが許せないのです」と話している。
さらにAさんは「担当領事と話をさせてください」と申し入れたところ「危険ですから会わすことはできません」とも女性職員から言われたという。
日本の外務省の不祥事などで開かれた在外公館を目指し、領事業務のサービス向上が叫ばれている中、総領事館としての今後の姿勢が問われそうだ。
(02/22/Friサンパウロ新聞)