在米日系団体が声明文―テロ事件人種問題で指摘―"真珠湾"の教訓生かせ―アラブ系米人の排斥自粛を
11日に米国で起きた同時多発テロ事件に関し、米国内ではアラブ系住民への暴行事件が報道されている。こうした動きに対して在アメリカの日系団体「日本アメリカ市民同盟(JACL、フロイド・モリ会長)」は次のような声明を発表した。同団体は日系アメリカ人および他のアジア系住民の権利擁護を目的とする民間団体として1929年に創立された。サンフランシスコに本部を持ち、全米に2万4000人の会員を有する全米最大のアジア系アメリカ人公民権団体として活動している。
先日のテロ事件の余波を受けて、すべてのアメリカ国民は不信と悲しみに包まれています。JACLもまた、国内そして世界の人々とともに、この事件によりもたらされた人命、人々の暮らしや心の平和に対する悲劇的な損害に対し哀悼の意を表します。
現在我々は、この非道な行為に対し一致団結して立ち向かっています。しかしその一方で、アメリカ人により同国人であるはずのアラブ系アメリカ人やイスラム教徒に対する暴行が発生している事実に関して、JACLは深い憂慮の念を覚えます。我々はまた、これらの出来事がアラブ系アメリカ人社会の排斥につながることを心配しています。このことは寛容さに欠ける行動を引き起こし、捜査機関による人種差別的な取り扱いは米国民および米国居住者の公民権にも影響を及ぼしかねません。
かつて日本軍により真珠湾が攻撃された時、政治指導者の誤りも手伝って、アメリカ人の怒りの矛先は日系アメリカ人へと向かいました。報道機関、政治家と一部の人々は日本人、日系人であるという理由によって日系アメリカ人を有罪としました。在米日系人は敵と見なされ、その生活、仕事は破壊の対象になり、正当な手続きもなされないまま立ち退き、収容の道をたどったのです。
我々は同国人であるアメリカ国民に対し行動の自制を求めます。いかなる集団であってもその民族的特徴、宗教、国籍を理由に排撃されることがないよう注意を呼びかけます。アメリカ人、そしてアメリカの国民として私たちはともに協力し合わなければいけません。そして我々は、我々の民主主義原則への監視を続けなければならないのです。
(ニッケイ新聞)