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074(2001年4月12日) 戻る 次

遠藤周作晩年の作−『深い河』ポ語訳

 作家遠藤周作の晩年に発表された小説「深い河 ディープ・リバー」のポルトガル語訳がメルクリョ出版社から販売されている。ポ語題名「リオ・プロフンド ガンジス」(262ページ、定価30レアル)。同書の英語訳をリカルド・ゴウベイアがポ語に翻訳した。原作の趣を出すため、文中に使われている語句であらすじを紹介する。
 インドの聖なる河、ガンジスに何らかの喪失感を持つ日本人5人が集まる。磯辺は妻が癌で亡くなる間際に残した言葉「必ず...生まれかわるから、探して」を信じ、その生まれかわりを探しに来た。
 木口は大戦で戦死した人々の法要をしたいと考える。戦時中ビルマのジャングルでマラリアにかかり死にかけた木口は、戦友の塚田が付き添ったため生き延びた。しかし塚田はビルマでの暗い体験から逃れるために酒に溺れ、病に倒れる。
 童話作家の沼田は、折りある度に動物に癒される。危険な結核の手術の最中、自分の身代わりのように死んだ九官鳥、その弔いをしようと考えている。
 病院のボランティアで磯部の妻に付き添った美津子は、人を真に愛することができない。学生時代、神を信じる大津を翻弄して棄てた。しかしその後も大津が気になり、仏蘭西へ新婚旅行に行った時も、一人でリヨンの神学校に通う大津と会う。明晰で論理的なヨーロッパの基督教が、日本人的感覚に合わないと大津は悩む。その後神父になった大津がインドにいると知って、美津子は旅行に加わる。そして旅行中に、インディラ・ガンジー暗殺という大事件が起きた。
 『深い河』のアメリカでの評判は「秀作の一つ。この5人の人物による聖地巡礼の感動的な話は強烈で、読者を精神性な旅に誘う。憐れがあふれた作品」マーチン・スコセッシ(映画監督)
 「私の考えでは、遠藤は同時代に生きる作家で最高の一人」グレアム・グリーン(作家)
 遠藤周作(1923〜96)東京生まれ、慶応大学仏文科卒。戦後初の留学生として渡仏、リヨンに学ぶ。『白い人』で芥川賞、ほか毎日出版文化賞、新潮社文学賞、谷崎潤一郎賞などを受賞、ノーベル文学賞候補に何度もなった。遠藤の作品は28ヵ国以上の国で読まれており、特に『沈黙』は100万部以上を売る世界的ベストセラーとなっている。


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