ダムの底に沈む家から−日系孤老を引取る(続)
孤老の身元確認急ぐ−熊本の地元新聞で知人捜索
孤老の日本人男性が昨年12月、南マットグロッソ州ブラジランジア市のパラナ川流域でのダム建設に伴って立ち退きを余儀なくされた。この日本人男性の身元確認が現在、手掛かりが乏しいため難航している。
日本人を援助しているサンパウロ日伯援護協会(和井武一会長)は、各方面に呼びかけるなどして日本人男性の身元確認を急いでいる。身元確認にはまだ時間がかかりそうだ。
この日本人男性は木村ススム(93)と自称し熊本県豊田村の出身。豊田村は現在の城南町。1952年に渡伯後、パラナ州のマリリア市などを経て、ブラジランジア市のヨットクラブに勤務していた。本人は、「父親の氏名はカズエ、母親はチヨ、弟はカズミ。マリリア市に娘がいる。父親はハワイのサトウキビ畑で働いた経験がある」と言っている。木村さんは高齢なうえ、視聴覚に障害があるため、記憶があいまいだ。
これらの情報を基に援協は2月中旬、城南町に照会し、現在役場からの回答を待っている。地元の新聞に記事を掲載し木村さんの親族、知人を捜している。援協は昨年にも、熊本県人会を通して城南町に打診した。この時は両親が分からなかったため役場が調査を断った。
サンパウロ州電力統一センターから立ち退き料として補償金と住居が用意されている。木村さんは身分証明書を所持していないため、住居と補償金を受けることができない。補償金は現在、ヨットクラブが預かっており、宙に浮いた状態だ。
木村さんは知人のジャンジーラ・デ・ジュジェス・クレインさん(66)に引き取られ、現在ジャンジーラさんの家で生活している。ジャンジーラさんはドイツ系ブラジル人で木村さんとは30年来の仲。木村さんには現在、藤沢国男ドラ・セナ地区委員を通して援協から毎月1最低給料(180レアル)が援助されている。
ジャンジーラさんと同居している甥が近々結婚するため、木村さんが家を出なけらばならない可能性が高い。そのため、援協は木村さんの身分証明書を発行を急いでいる。
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