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055(2001年2月8日) 戻る 次

「勝ち負け」では3冊目−『コラソンエス・スージョス』−日本で翻訳か

出版へ関心示す『光文社』−ベストセラー継続中
 臣道連盟が起こした一連の血塗られた事件を扱ってベストセラーとなっているフェルナンド・モラエスさんの著書「コラソンエス・スージョス」(コンパニア・ダス・レトラス出版)を日本の大手出版社・光文社が翻訳、出版しようと触手を伸ばしていることが明らかになった。同書は昨年11月20日に書店に並び始め、既に初版2万5000部を完売。人気ジャーナリストが戦後ブラジル史の空白の一つであった勝ち・負け抗争に注目した意外性も手伝って、売り上げランキング(ノン・フィクション部門、『ヴェージャ誌』調べ)で一時期連続トップに輝き、依然、10位以内(先週9位)にランクインしている。一方、その内容に誤謬を指摘する声もあり、訳書が発売される運びとなれば、コロニア内でも話題を呼びそうだ。

 光文社が同書に目をつけたきっかけは、同社の編集者の妻からの推薦だったという。この女性はブラジル人で、最近里帰りした際に話題となっていた本の存在を知った。現在は内容の確認と翻訳者探しの最中のようだ。
 勝ち組・負け組のことを中心に描いた本で、日本の大手出版社から発売されているものとしては過去に、高木俊郎さんの「狂信」(1980、朝日新聞社)と、太田恒夫さんの「『日本は降伏していない』」(1995、文藝春秋)がある。しかし、著者が外国人というのは今回が初めてだ。
 宮尾進・サンパウロ人文科学研究所長も「ブラジル日本移民80年史」(移民80年史編纂委員会)の中でこの歴史を追究した。掲載量は原稿用紙350枚にも及んだ。フェルナンドさんの本を今読んでいる最中という宮尾さんは、「基本的には事件を追っているだけで、日系社会の当時の全体的な様子などにはあまり触れていない。写真など資料はたくさん集めているけれど、写真説明などに結構間違いがある」と感想を話す。その上で、軍票や日本軍が比島(フィリピン)で発行していた切手の写真を指して、「臣道連盟が偽造していた」などと誤って記している点を指摘し、「日本人が見れば、すぐに気づく間違いが少なくない」と続ける。
 「ア・イーリャ」、「オルガ・エ・シャット」、「オ・レイ・ド・ブラジル」など。ベストセラー作品を次々と送り出し、その訳書は世界18カ国で発売されているという実績を持つフェルナンドさん。それだけに最新作「コラソンエス・スージョス」が訂正なしに日本で出版されるのだけは避けたいところだ。


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